夏のベースボール育成プログラム
2013年 5月 07日(火曜日) 11:26

日本では春季大会が行われて、夏の甲子園・県予選のシード権を決めているというこの時期、つまりまだ高校野球本番が始まるずっと前の時期に、こちらアメリカではシーズンの終わりを迎えようとしている。

シーズンでそのリーグの上位に入れば、南カリフォルニアのプレーオフには出場できるが、それも6月までには終わる。2月から始まって4ヶ月の短いシーズンが終わると今度は高校単位ではなく、クラブチームとしての夏のシーズンが始まる。

今年から私と、元MLBユースアカデミーでコーチしていた矢野コーチとが中心になって、18歳以下のチーム、16歳以下のチームの育成プログラムを作る事になった。そのチームでは、野球の技術などを教えるのはもちろんだが、ウエートトレーニング、そしてゴール設定などを行うメンタルトレーニングも教える総合育成プログラムを完成させる事を目的としている。

通常、18歳ぐらいになると技術的にはある程度レベルが上がってきているので、ただ単に寄せ集めのチーム(こちらではトラベルチームと呼ばれている)で夏の間は試合をするだけだ。しかし、あくまでもある程度のレベルになってきているだけで、まだまだ学ばなければならない事が多い。しかし、そのようなメンタル面や本格的なトレーニングを教える事ができるコーチはごく稀で、そのようなプログラムを実施できているところはほとんどないに等しい。だから、私たちがそのようなプログラムを作ろうという事になった。

このチームのトライアウトはこの土曜日に行われる。できるだけ選手に私たちのやっている事を知ってもらおうと、球場に行ってビラ配りをしたり、私の今までコーチした選手達に声をかけたりと、普段はあまりしないことをしているが、自分の息子が出ていない試合を見て回り、じっくりとアメリカの高校野球を観るのもなかなか楽しいものだ。

スピードガンを片手にピッチャーを観ていると、そのピッチャーの親が私のそばに来て、どれくらいスピードが出ているか聞きにくる。これはもうどの球場に行っても同じ状況になるのだが、そこで私はその親に私たちのプログラムを売り込んだり、質問に答えたりする。

また、それぞれのチームの親の応援の仕方なども興味深い。私立の強い学校は静かに試合を眺めている。コーチが親達に言ったのかどうかは分らないが、そうしている。ある公立高校の試合では、まるでリトルリーグのように親が子供に向かってギャーギャー言っている。コーチもさぞかしやりぬくい事だろう。そのようなアメリカの様々な高校野球の応援の仕方も、このようなプログラムを作る事を考えなければ知る事もなかった。

さて、このようなサマープログラムは、もちろん将来プロで、あるいはトップのカレッジでプレーするプレーヤーのためのものだ。しかし、皆がプロやトップのカレッジでプレーできる訳ではない。それでもこの夏、ベースボールという1つのことに集中し、目標設定し達成させるようにする。それらは将来の彼らの人生に役立つに違いない。そのようにベースボールを通じて人生を教えてあげる事が出来ればいいと思っている。

(アマチュア野球、高校野球)

長谷川滋利