アメリカ、マイナーリーグのチームを買いましょう!!!
2013年 4月 21日(日曜日) 07:49

日本の皆さんはマイナーリーグと聞くと、安物のバスで移動し、田舎の古臭い球場でプレーしている様子を思い浮かべるかもしれません。アメリカ人でも近くにマイナーのボールパークがあるか、よほどのベースボール通でない限り、数年前までは同じ様なイメージを持っていたと思う。

 

20年前、その名の通りファームチームと呼ばれたマイナーリーグのチームは、メジャーリーグでプレーするための、いわゆる育成所だったことは事実である。それがこのところは大きく変わった。マイナーのチームでも、サクラメント・リバーキャッツや、デイトン・ドラゴンズなどは、まるでメジャーリーグのように運営されている。最新式のボールパークで、なかなかの利益を上げて、ビジネスとして成り立っている。それらのチームのオーナーは、起業家として他のビジネスで成功している人たちで、マーケティングというものを理解し、今までの小さな町からより大きな街へと移動し、そこでたくさんのベースボールファンを惹きつけている。

フォーブス社の調べによれば、オークランド・アスレチックス傘下のトリプルA(2軍)のサクラメント・リバーキャッツは、資産価値が$29.8ミリオン(日本円を分かり易く$1=100円とすれば、29.8億円)である。2012年のシーズンは、70万人のファンがボールパークに訪れたので、1試合平均1万人は訪れた事になる。

それだけのファンが訪れる一番の理由。それは素晴らしいボールパークをホームフィールド(本拠地)とする事だ。リバーキャッツのホームフィールドは、レイリーフィールドで、カリフォルニアの首都サクラメントに8年前に建てられた。おしゃれなバーのあるそのスタジアムは、地元の若者層の週末の溜まり場となっていった。スタジアムにはメジャーリーグのボールパークに見られる様なコカコーラの大きなサイン。芝生シートは$5(500円)で、メキシコ料理付き80人のパーティーで、$3800(38万円)。1人5000円弱でパーティーができることになる。

変わり種のマイナーリーグ・チームとしては、インディアナ・インディアンズは株式上場している。2004年から2007年までにその株価は1.5倍になり、配当も2007年に1株$200から$350に増やしている。そして純利益も$810,000(8100万円)から$1.3ミリオン(1億3000万円)まで増えている。

マイナーリーグ、トップ20チームの平均では、1チームの資産価値が$21.2ミリオン(21.2億円)で、歳入は$9.8ミリオン(9.8億円)となっている。その売り上げの半分はチケットのセールスから来る。チームにかかるコストとしては、球団職員に払う給料や、選手の移動費などが$10ミリオンから$15ミリオンかかるが、選手のサラリー、ボーナス、スカウトフィーはチームのトップであるメジャーリーグチームが払う。これらのトップ20球団平均オペレーティング収入は、利息、税金、減価償却前で$3ミリオン(3億円)となっている。

マイナーリーグ経営の鍵、つまりファンをバールパークに惹きつける鍵は、もちろんチームが勝つ事もあるが、マイナーリーグではベースボール以外のエンターテイメントを充実させるための様々なイベントを試合前、試合後に、あるいは試合中に行う事、子供の遊び場所の提供などだ。また、チケットの価格は、家族4人で訪れても約$50(5000円)で、メジャーリーグのボールパークの3分の1ですむという安さもファンを呼び込む魅力の1つだ。

6位にランクされているデイトン・ドラゴンズは、1998年に新しいオーナーになり、イリノイ州のロックフォードから、オハイオ州に移動したが、チケットは毎日ソールドアウト。年間予約席も10年待ちと絶好調。デイトンから、メジャーリーグのシンシナティー・レッズのホームフィールドまでは、車でたったの40分ぐらいなのに、である。ドラゴンズは4頭?のマスコットがグランドでレースをしたり、スタンドにTシャツを投げ込んだりとエンターテイメント性をより主張しているようだ。

マイナーリーグ・チームは、映画館と競争しているとも言える。$8から$10の値段は、ちょうど映画館の入場料と同じぐらいだ。映画上映時間は約2時間で、当たり外れもあるが、マイナーの試合は3時間でいつ行ってもエンターテイメント性満載。しかも屋外なので、ビール、ホットドッグ、ポップコーンなどが映画館よりもよく売れる。

あるリサーチ会社によれば、もし年間40万人の観客がボールパークに足を運べば、スポンサーからの収入も見込まれ、十分に経営できるという。また、マイナーリーグでもスイートルームなどの富裕層の相手のビジネスを展開すれば、プラスアルファーの収益も見込める。

デイトン・ドラゴンズを含む、5つのマイナーリーグ・チーム(ベースボール2チーム、アイスホッケー、屋内フットボール、サッカー)を所有するマンダレイ・スポーツ・エンターテイメントは買った当時から考えると、充分な資産価値の上昇と、しかも毎年利益を得ている。私がいつも言う、キャピタルゲイン狙いではなく、毎日ポケットにお金を入れてくれる真の資産を持っているという事になる。大変高価なメジャーリーグを1チーム所有するよりもリスクも低く、利益も上がるというものだ。

日本の球団を運営する企業も、もうそろそろ企業のPRとしての球団経営ではなく、チーム単体で利益が出る独立採算制を考えた方がいいのではないでしょうか? それにはまずアメリカのマイナーリーグのチームを買って勉強するというのはどうでしょう? 私が筆頭オーナーとなって共にアメリカに乗り込みませんか? そうすることが、日本のプロ野球の発展にもつながると思います。また、現在、球団経営に携わっていない企業も、アメリカ・マイナーリーグチームを買って経営をともに学び、その経験を元に日本のプロ野球、さらにメジャーリーグのチームを買うという夢を持つのもいいのではないでしょうか? これぞ、アメリカンドリームの現代版だと思います。

MLB、ビジネス・投資)

長谷川滋利